ランニング 膝 痛み 内側：鵞足炎（がそくえん）とは？症状・原因・改善＆予防ガイド

１．鵞足炎とは？―膝の内側が痛くなる仕組み

鵞足ってなに？意外と知られていない膝の構造

「ランニングすると膝の内側が痛むんだけど、これってなに？」

そんなふうに感じたこと、ありませんか？

実はそれ、**「鵞足炎（がそくえん）」**と呼ばれる状態かもしれません。

鵞足（がそく）とは、縫工筋・薄筋・半腱様筋という3つの筋肉の腱が、膝の内側下部でまとまって付着している部分のことを指します。英語では「Pes Anserine（ペス・アンセリン）」と呼ばれ、「ガチョウの足」に似ている形から名付けられたそうです（引用元：オムロン ヘルスケア）。

この部分には「滑液包（かつえきほう）」というクッションの役割をする袋があり、関節の動きをなめらかにしてくれています。ただ、この滑液包が炎症を起こすと痛みが出ることがあるんです。

痛みの原因は“摩擦”と“繰り返しの刺激”

ランニングなどで膝を酷使すると、鵞足周辺に摩擦や圧力がかかり続け、滑液包が刺激を受けて炎症を起こすことがあるとされています。とくに、以下のような特徴がある方に多く見られるようです。

• 足の着地で膝が内側に入りやすい

• 太もも裏の筋肉が硬い

• ランニングフォームに偏りがある

• シューズのクッション性が低い

「膝の内側がピンポイントで痛い」「走った後にズキッとする」などがある場合は、早めにケアを考えたほうがいいかもしれません。

どんな痛み？日常にも影響することも

鵞足炎の痛みは、階段の昇り降りや、椅子から立ち上がるときなどにも感じられることがあります。ランナー以外でも、立ち仕事が多い人や膝をよく使う動作を繰り返す人に起きるケースもあるといわれています。

痛みを放置すると、走ることはもちろん、日常生活にも支障が出ることがあるため、早期の対処が大切なんですね。

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（引用元：むこう鍼灸接骨院)

２．初期症状チェック＆来院が必要なケース

「これ、もしかして…」と思ったら最初に確認したい症状

「最近、ランニングすると膝の内側がズキッと痛むんですけど…」

こういう声、実はよく聞きます。最初は「疲れかな？」で済ませがちですが、痛みが繰り返し出るようであれば、注意が必要かもしれません。

鵞足炎では、以下のような初期症状が見られると言われています。

• ランニング中やその後に、膝の内側がピンポイントで痛む

• 階段の上り下り、またはしゃがむときに違和感がある

• じっとしていても膝がジワッと熱い感じがする

• 触ると「チクッ」とした痛みや軽い腫れを感じる

特に、ウォーミングアップ中に「ちょっと引っかかる感覚がある」という人は、筋肉や腱、滑液包に軽い炎症が起きている可能性があるとも言われています。

早めに専門家に相談した方がよいサインとは？

「そのうち良くなるだろう」と放っておくと、逆に長引いてしまうケースもあるようです。特に、以下のような状態が続くときは、一度専門家に見てもらった方が安心です。

• 痛みが数日続いて引かない

• 日常動作に支障を感じはじめている

• 膝の曲げ伸ばしが明らかにしづらくなった

• 腫れがひどく、熱感もある

膝の内側が痛む症状は、鵞足炎だけでなく、半月板損傷や変形性膝関節症などが背景にあることもあるそうです。それぞれ検査方法や対処も変わってくるため、自己判断ではなく早めの相談がすすめられています。

「ちょっとした違和感」が、実は回復のサインを見逃さないための大事なポイントかもしれません。

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（引用元：https://www.zamst.jp/tetsujin/knee/Pes-Anserine-Bursitis/）

３．なぜ起こる？主な原因とリスクファクター

「使いすぎ」だけじゃない？意外と多い見落としポイント

「ランニングのしすぎが原因で膝が痛いのかな…？」

そう思う方も多いかもしれません。でも、鵞足炎の背景には**オーバーユース（使いすぎ）**だけでなく、体の使い方やバランス、環境などさまざまな要素が関係していると考えられています。

まず最もよくあるのが、運動量の急な増加です。たとえば、「今週から毎日10km走ってる！」といったケースは、鵞足への負荷が蓄積しやすいとされているんですね。

さらに、**X脚（膝が内側に入る）やオーバープロネーション（足裏の過度な内側傾き）**といった骨格の特徴も、膝の内側にストレスがかかりやすくなる要因だと言われています。

筋力や柔軟性、そしてシューズにも注意が必要

「ストレッチ、最近あんまりしてないな…」という方は、太もも裏（ハムストリングス）や内もも（内転筋）の柔軟性低下も影響しているかもしれません。筋肉が硬くなると、膝まわりの腱に余計な負担がかかってしまうことがあるそうです。

また、筋力が弱い場合も、衝撃吸収の役割を果たせず、鵞足部分に集中的に負担がかかるといわれています。

意外と見落とされがちなのが、「シューズの選び方」や「走る環境（アスファルト・傾斜など）」です。クッション性が低い靴や片減りしている靴を使っていると、膝の内側に偏った衝撃が伝わってしまう可能性があります。

「最近靴を替えていないな…」と思い当たる方は、ランニングフォームだけでなく足元の見直しも大切かもしれません。

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島倉 嘉仁

理学療法士として医療現場で培った経験を活かし、現在は健康づくりやスポーツパフォーマンスの向上を目指す方々まで幅広くサポートしています。

ジュニアアスリートの成長段階に合わせた運動指導にも対応。体の使い方だけでなく、栄養面からのアドバイスも含めて総合的に関われるのが私の強みです。

何よりも大切にしているのは「無理なく続けられること」。

一時的な変化よりも、継続できる仕組みづくりを意識しながら、一人ひとりに合ったサポートを心がけています。